さくらむすび

桜エンド。
思えばメインに据えるヒロインの割には作中での扱いが微妙。
「妹離れ」という珍しいテーマを扱っている点はとても新鮮で面白かった。
しかしヒロインたる桜の描写が主人公視点であまりにもネガティブなのがなあ。
血の繋がりがないと判明した後でも背徳感、倫理観が揺らぐことなく。
にも関わらずの決断で禁忌に及んでしまう。破滅に向かうシナリオも美しいけど。
エンディングは二つあるけど本質的には同じ。
結局、周囲に対して理解は得られない、二人だけの世界に逃げるとゆー選択。

近親かどうかは重要じゃなく、あくまで精神的な部分を問題にしているのは判る。
家族として育った血の繋がりのない男女。そこに恋愛感情があることの是非。
他のエロゲーだと流しまくりのところを真正面から問うのは面白いとも思う。
でも真面目に考えれば考えるほど、「世間の常識、良識」とのギャップが気になる。
エンターテイメントとして扱うべきテーマではないのかも知れないね。

でもまあ確かに、紅葉とならOKだけど桜とはNG。
作中の周りの評価はともかくプレイヤー視点では二人が同列なのは理解してるのに。
実際の血よりも戸籍や環境など論理的な結び付きの方が制約として強いという矛盾。
この辺りの考え方はやっぱり面白いし良いテーマだと思う。